私から見た鈴木拡樹という若手俳優

若手俳優という括りであるけど若手というには年を取りすぎている鈴木拡樹という舞台俳優を応援している。

先日、舞台俳優が引退を発表していた。決して仕事がなかった訳でもなく、もう事務所と周りと話し合っていて引退は決定事項で舞台俳優であってもその人の人生なのでヲタクはこういう時なにも出来ないなともどかしい気持ちになった。私は彼が引退する時笑顔で送り出すことが出来るだろうか。




彼のファンになったきっかけは在り来りだけど、舞台弱虫ペダル 通称ペダステのThe Winnerを観てからだった。私は2次オタクで弱ペダに当時ハマっていて(もちろん今でも好きだけど)実写化に対してあまりいいイメージがなかったが、仲がいいフォロワーさんがペダステにハマっていたため興味本意で観に行った。

 

私の推しは真波山岳くんで、彼のことは荒北にしてはイケメンだなという認識だった。そんな認識だった彼の演技を観て度肝を抜かれた。そこには荒北靖友がいたのだ。決して真波くん役の植ちゃんがキャラじゃないというわけでも他のキャストが似てないという訳でもなく、むしろ植ちゃんの真波くんは推しキャラを演じる俳優に厳しい私だけど100点満点の真波山岳で大好きだ。彼がいなくても植ちゃんの舞台を観に行くくらい好きな俳優だ。


でも、なぜだか推しキャラを演じているわけでもないのに彼から目が離せなくなってしまった。私の顔の好みは染様とか高橋くんとか矢田ちゃんとか派手顔のキラキラしたイケメンが好きだ。でも、彼は決してブスというわけではないが、すっごいイケメンというわけではないし薄顔の整ってる青年という印象。


顔も好みじゃなく好きなキャラでもなかった彼を応援しようと思ったのは、自分でもよくわからない。当時は溢れ出す多幸感にただただ興奮していて情緒が凄まじかった。今になって思うと彼の演技に一目惚れをしたのだと思う。




彼のファンになって彼のペダステ以外の作品も気になり観劇に行った。

私は彼が手を抜いているところをみたことがない。片手で足りるくらいの観劇しか毎回してないのもあるだろうが、それでも4年目?になるのにどの作品にも真摯にひたむきに向き合ってくれている。

私の語彙力がないばかりに他人と比べることになるが、舞台俳優の中には、手を抜いている回があったり、人気作だけ力が入って人気がない作品はやる気がなかったり、舞台が好きじゃないんだろうなと感じる人もいる。それが今まで1回も彼にはなくていつもいい演技を魅せてくれる。そこが彼の好きなところだ。

舞台のいいところも悪いところも生だから気持ちがダイレクトに伝わるところだと思う。客は思ったよりも観てるから頑張っても報われないってひねくれないでほしい。人気作の人気キャラが多くの見られるチャンスを掴むだけで観ている人は見ている思う。



彼を応援して4年目?になっても彼のことはよくわかってなくて、ファンになってぼちぼち彼の情報を集めたり話を聞いたりしているが知れば知るほどよくわからなくなる。

ぜんぜん怒らない人でいつもニコニコみんなの後ろで微笑んでいること、スイカが好きなこと、舞台が終わったら袖のモニターでお客さんを見て礼をしていること、見た目があんまり変わってないこと、睡眠をとる時はファラオみたいに寝ること、機械音痴なところ、大阪出身なこと、元美容師なこと……… 

知っていることは増えているのに彼のことがよくわからない。でもそれは彼が秘密にしている訳ではなく多くは語らないけれど、彼は聞いたら普通に答えてくれる。それなのに掴みどころのない不思議な人だと思う。人は理解したら飽きると思うので、追いかけても追いかけてもよくわからない彼はそれはそれで彼の魅力で好きなところだけど、出会いが2.5次元舞台だったのも手伝って彼のことはどこか次元の違う神みたいに感じていた。


しかし、彼のけっこう昔のDVDを観た時には初々しくてかわいらしい演技をしているが、演技がお世辞にも上手とは言えずにびっくりした。今では周りは彼のことを『すごい人』『神みたいな人』ってこれでもかってくらい持ち上げているし、私も彼に対して分厚いフィルターがかかっているし崇拝しているところもある。だけど、彼は決して最初から演技の神様に愛された訳では無くて、一歩づつ演技に対して真摯に向き合って演技の神様を追いかけてやっと振り向いてもらったんじゃないかと思ったら、神様みたいに思っていた彼が人間なんだなと感じられて彼のことがより好きになった。



それでもやっぱり彼は掴み所のない不思議な人だって印象は変わってないし、当たり前だけど彼のことを100%理解できる日は来ないと思う。私が感じる彼は間違っているかもしれないしそれでもいい。


からしたら見たものが全てで、私からみた彼が素晴らしい俳優ということは変わらないのだから